土木業界では、現在深刻な人手不足が続いており、技術者の確保が急務となっています。一方で建設需要の増加により業界全体の年収水準は上昇傾向にあり、建設業界では年5%から6%の賃上げ要請を受け、初任給も急上昇している状況です。このような環境の中で、資格取得は確実な年収アップとキャリアアップの手段として注目されています。本記事では、土木業界で特に需要が高く、年収アップ効果の期待できる資格を厳選してランキング形式でご紹介します。
土木業界で需要の高い資格ランキング7選

第1位:1級土木施工管理技士
1級土木施工管理技士は、土木業界で最も権威のある資格の一つです。大規模な土木工事の現場管理や監督業務を担当でき、より責任のある立場で働けるため、キャリアアップに直結します。また、公共工事の入札要件として必要とされるケースが多く、企業にとって欠かせない人材として評価されます。
取得により管理技術者として認められ、大型プロジェクトの責任者として活躍できるため、年収面でも大幅な向上が期待できます。
第2位:技術士(土木部門)
技術士は、技術者にとって最高峰の国家資格です。専門知識の保有者として高い評価を得ているため、将来性の高い職種となります。技術的な意思決定権を持ち、設計や計画立案、コンサルティング業務に携わることができます。
建設コンサルタント企業では技術士保有者の配置が必須とされるケースも多く、転職市場でも高く評価されます。また、独立開業の道も開けるため、長期的なキャリア形成において非常に有利な資格です。
第3位:2級土木施工管理技士
2級土木施工管理技士は、土木工事の施工管理を行うための基本的な資格です。小規模な工事現場で施工管理業務を担当できるようになり、主任技術者として認められます。未経験者でも第一次検定から受験可能で、土木業界への入門資格として最適です。
この資格を取得することで、現場での指導・監督業務を任されるようになり、確実な年収アップが期待できます。また、1級土木施工管理技士へのステップアップの基礎となる重要な資格でもあります。
第4位:測量士
測量士は、土木工事に欠かせない測量業務の専門資格です。GPS技術やドローンを活用した最新の測量技術の導入により、従来の測量業務は大きく変化しており、専門性の高い技術者として需要が高まっています。
建設プロジェクトの初期段階から関わることができ、設計コンサルタントや建設会社での需要が安定しています。また、独立開業も可能で、専門性を活かした高収入を目指すことができます。
第5位:建設機械施工技士
建設機械施工技士は、ブルドーザーやショベルカーなどの建設機械を使用した工事の施工管理を行う資格です。土木工事現場では必要不可欠な資格で、機械化が進む現代の建設現場において重要性が増しています。
この資格により、建設機械を使用する工事の主任技術者や管理技術者として従事でき、専門性の高い技術者として評価されます。機械操作技術と施工管理の両方のスキルを証明できるため、現場での価値が非常に高い資格です。
第6位:RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)
RCCMは、建設コンサルタント業務における土木技術者の専門資格です。管理技術者や照査技術者として活躍でき、建設プロジェクトの企画・調査・設計から施工管理、維持管理まで幅広く関与できます。
受験に実務経験は不要で、技術士と比べて取得しやすい一方、建設コンサルタント業界では高く評価される資格です。22の専門分野から選択できるため、自身の専門性を活かしたキャリア形成が可能です。
第7位:コンクリート技士・診断士
コンクリート技士・診断士は、コンクリート工事の品質管理や診断・補修に関する専門資格です。インフラの老朽化が進む中で、既存構造物の診断や補修工事の需要が急速に高まっており、将来性の高い資格として注目されています。
特にコンクリート診断士は、構造物の劣化診断や補修設計ができる高度な専門資格で、維持管理分野での需要が拡大しています。土木構造物の長寿命化が国策として推進される中、この分野の専門家は不足しており、高い評価を受けています。
効果的な資格取得順序とステップアップ戦略
初級者向け取得順序
土木業界に入りたての方や未経験者は、以下の順序で資格取得を進めることをおすすめします。
- 2級土木施工管理技士補(第一次検定合格)
- 実務経験を積みながら2級土木施工管理技士取得
- 測量士補から測量士へのステップアップ
この順序により、実務経験を積みながら段階的にスキルアップし、確実な年収向上を図ることができます。特に2級土木施工管理技士補は実務経験なしで取得可能なため、業界未経験者の最初のステップとして最適です。
中級者向けステップアップ
2級資格を取得し、数年の実務経験を積んだ中級者は、以下の資格取得を目指しましょう。
- 1級土木施工管理技士で管理技術者を目指す
- 専門分野に応じてRCCMまたはコンクリート技士を取得
- 建設機械施工技士で機械工事の専門性を高める
年収アップ効果:100万円~200万円の向上が期待できます。
上級者向け最終目標
土木業界でのキャリアを極めたい上級者は、最高峰の資格である技術士を目指しましょう。技術士取得により、以下のメリットが得られます。
- 建設コンサルタントでの管理技術者として活躍
- 独立開業による高収入の実現
- 技術的な意思決定権を持つ立場での働き方
- 業界内での高い信頼と評価
年収アップ効果の実例と期待値
企業規模別の年収水準
土木業界での年収は企業規模によって大きく異なります。建設業界で平均年収1000万円を超える企業は、前年度の2社から10社に増加しており、業界全体の年収水準向上が顕著に表れています。
資格取得による昇進・昇格効果
土木業界では資格取得が昇進に直結するケースが多く見られます。特に以下の効果が期待できます。
- 2級土木施工管理技士:主任技術者として現場責任者に昇格
- 1級土木施工管理技士:管理技術者として大型現場を担当
- 技術士:技術部門管理職や独立コンサルタントへの道
- RCCM:建設コンサルタントでの管理技術者として高収入を実現
実際の現場では、1級土木施工管理技士の資格取得により現場代理人や工事主任に昇進し、年収が100万円以上アップするケースが多数報告されています。また、技術士資格保有者は建設コンサルタントにおいて管理職ポジションに就きやすく、年収800万円以上を実現する技術者が増加しています。
資格取得を成功に導くポイント
効率的な学習方法
土木業界の資格取得では、実務経験と理論学習の両方が重要です。以下の学習方法が効果的です。
- 過去問題を中心とした実践的学習
- 実務経験を理論と結びつける復習
- 同僚や先輩技術者との情報交換
- 専門講座やオンライン学習の活用
特に施工管理技士系の資格では、現場での実務経験が試験内容と直結するため、日常業務を学習の機会として捉えることが重要です。
受験タイミングの重要性
資格取得を成功させるためには、適切な受験タイミングの見極めが重要です。
企業サポートの活用
多くの建設会社では資格取得支援制度を設けています。これらの制度を積極的に活用することで、効率的な資格取得が可能になります。
- 受験費用の会社負担
- 合格時の報奨金制度
- 資格手当の支給
- 社内講習会の開催
- 試験休暇の付与
土木業界の将来展望と資格の価値
インフラ老朽化による需要拡大
日本のインフラは高度経済成長期に整備されたものが多く、現在急速な老朽化が進んでいます。これにより、維持管理・補修・更新工事の需要が急激に拡大しており、土木技術者の需要はさらに高まることが予想されます。
特にコンクリート診断士や橋梁点検技術者などの維持管理に特化した資格の価値は今後大幅に上昇すると考えられます。
デジタル化・DX推進による変化
建設業界でもデジタル化が急速に進んでおり、従来の知識に加えてICT技術への理解が求められています。しかし、ITの流れ、AIを取り込み進化し続ける「ザ・仕事がなくならない」職種の典型として土木施工管理技士は評価されており、技術の進歩とともに専門性がさらに高まっています。
BIM/CIMやドローン測量、IoTを活用した施工管理など、最新技術と従来の土木技術を融合させた新しいスキルセットを持つ技術者の需要が拡大しています。
土木業界では深刻な人手不足により、有資格者の価値が急速に高まっています。計画的な資格取得により、確実な年収アップとキャリア形成が可能です。特に1級土木施工管理技士や技術士などの上位資格は、100万円以上の年収アップ効果が期待できます。
今こそ資格取得によるスキルアップのチャンスです。自身のキャリアプランに合わせて、段階的な資格取得を進めていきましょう。
土木業界でのキャリアアップと年収向上を目指すなら、計画的な資格取得が最も確実な方法です。業界の人手不足と需要拡大により、有資格者の価値は今後さらに高まることが予想されます。今回ご紹介した7つの資格から、ご自身のキャリアステージに最適なものを選択し、着実にステップアップを図ってください。
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